SIGGRAPH Asia 2021、あらゆる障害を乗り越えて世界のコンピュータ・グラフィックス業界が東京に再集結し、アジア初のハイブリッド型開催が成功

プレスリリース(2021年12月22日・東京)

  • 41の国と地域から3,000名以上の参加登録者が、東京でのオンサイトイベントだけでなく、バーチャル・イベントに参加
  • SIGGRAPH Asia 2021では、ソニー、Akili Interactive、バンダイナムコスタジオ、Weta Digital、DNEG、神風動画、MacLean Visual Effects、Sola Digital Arts、スクエアエニックス、東映アニメーション、Ubisoft といった業界を代表する企業が、コンピュータ・グラフィックスの未来とインタラクティブ技術に関する議論を展開
  • SIGGRAPH Asia 2021では、アーティストやクリエイターの一流作品が評価され、様々な賞を授与

コンピュータ科学分野の国際学会(ACM)の分科会「シーグラフアジア2021(SIGGRAPH Asia 2021)」運営事務局(ケルンメッセ株式会社)は、「LIVE!」をテーマにACM SIGGRAPH史上初のハイブリッド版として開催されたSIGGRAPH Asia 2021の終了を発表しました。12月14日(火)~17日(金)に東京国際フォーラムで開催されたこのイベントには、41の国や地域から3,000名以上の参加登録を記録しました。オンサイトイベントは、日本政府、東京都、展示会業界からの新型コロナウイルス感染予防の規制に準拠して開催され、対面するすべての参加者の安全と幸福を確保することができました。

SIGGRAPH Asia 2021カンファレンスチェアを務める、株式会社 ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役の塩田周三氏は、終了にあたり次のように述べています。「COVID-19の影響で先が見えない中、今年の夏、私たちは初のハイブリッドSIGGRAPHを実施することを決定しました。これはコロナ禍に阻まれながらの大仕事となりました。このような悪条件に負けることなく、現在のコンピュータ・グラフィックスとインタラクティブ技術の世界を知ることができ、また、オンラインと会場の両方でSIGGRAPHのコミュニティ精神を再認識できる、素晴らしいカンファレンスを開催することができたと自負しています。この大事業に貢献されたすべての方に、心から感謝申し上げます」

SIGGRAPH Asia 2021運営責任者を務め、来年韓国・大邱(テグ)で開催されるSIGGRAPH Asia2022のチーフスタッフ兼部門長(テクノロジー、デジタルメディア、エンターテインメント、モビリティ)を務めるケルンメッセのPrakash Ramajillu氏は、次のように述べています。「SIGGRAPH Asia 2021のチームが今年、会場とオンラインで素晴らしいイベントを成功させたことを、非常に誇りに思っています。世界のCGコミュニティからのフィードバックは極めて前向きで、新型コロナウイルス感染拡大によるさまざまな障害が立ちはだかったにもかかわらず、ハイブリッドイベントを継続的に開催するという私たちの強い意志を再確認しました。この業界がこれほどまでに密接に結び付き、互いに支え合っていることに驚かされました」

多様なカンファレンス・プログラム・セッションを開催

130名近い講演者がカンファレンスで直接講演を行い、約400名の講演者がバーチャルプラットフォームでコンピュータ業界の最新動向と将来について議論しました。

SIGGRAPH Asia 2021では、グラフィックスとインタラクティブ技術の業界の第一人者たちが講演しました。基調講演には、ソニー株式会社 副社長執行役員CTOの勝本 徹氏、Akili Interactive社共同創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマット・オマーニック氏が登壇しました。勝本氏は、「Creativity x Technology - How to fill the world with emotion」と題し、クリエイティブ業界のイノベーションの歴史や、音楽、映画、ゲームなどの分野でクリエイターが利用できる技術の可能性について説明しました。マット・オマーニック氏は「Video Games as Medicine」と題し、EndearvorRxのようなデジタル治療製品が、いかに医療のあり方を変えつつあるか、また認知医療とエンターテインメントが今後いかに調和していくかに迫りました。

バンダイナムコスタジオ、Weta Digital、DNEG、DNEG Animation、神風動画、MacLean Visual Effects、Sola Digital Arts、Sony Pictures Animation、Sony Pictures Imageworks、SQUARE ENIX、東映アニメーション、Ubisoftといった業界の著名人を招いて、「Dune」「シャンチーと10の指輪伝説」「ブレードランナー」「Apple TV's Foundation series」「The Mitchells vs. Jungle」といった作品を支えるVFX作品について、コミュニティ独自の洞察を得る「Featured Sessions」も開催され、大きな注目を集めました。現在、The Machines, Wish Dragon, Ron's Gone Wrongなどの作品を、バーチャルプラットフォームでオンデマンド配信しています。

Technical Papersは、SIGGRAPH Asiaの中心的なプログラムであり、94の特別にキュレートされた論文が展示されました。SIGGRAPH Asia 2021のTechnical Papersは、最高の科学的基準に基づき、厳密で洗練された査読プロセスによって選ばれています。今年のSIGGRAPH Asiaでは、ほとんどのプレゼンターが東京国際フォーラムに中継され、現地やオンラインの参加者からのライブ質問に応じました。

機器展示では、30社近くのバーチャルおよびオンサイトの出展者が、CGおよびインタラクティブ技術分野におけるハードウェアおよびソフトウェアアプリケーションの最新動向を紹介しました。フォーラムエイト、IMAGICA GROUP、デジタルハリウッド大学、コニカミノルタ、Amazon Web Services、バンダイナムコ、Carpe Diem Solutions、サイバーエージェント、ELSA Japan、Houdini SideFX、Huawei Russian Research Institute、NVIDIA、NHKアート、iPresenceおよびSkyVisionなどの企業やブランドが出展しました。iPresenceではバーチャルSIGGRAPH Asia 2021展示ツアーという、世界のどこからでも展示ホールへのリモート入場ができるコンテンツを作成し、参加者はこのツアーで展示ホールに入ることが可能であり、こちらからご体験可能です。

Exhibitor Talksでは、医療製品設計や医療ビジュアライゼーションにおけるHoudiniの活用、AWS上でのデジタルコンテンツ制作、IMAGICA GROUPと東京農工大学による革新的ディスプレイのための映像コンテンツ制作に関する研究開発で、視聴者にいかに映像体験を提供するか、NTTヒューマンインフォマティクス研究所による最先端の東京オリンピック2020プロジェクトと、メタバース時代のライブエンターテイメントの世界などの技術テーマが提供されました。

機器展示と同じ会場内にあるExperience Hallには、Art Gallery、Emerging Technologies、XRのデモンストレーションが設置されました。Art Galleryでは、世界各国から応募された147作品の中から、新型コロナウイルスの大流行を踏まえて未来の儀式、行動、モードはどのようなものになるのか、という問いを投げかけた最先端の15作品が選ばれました。また、Art Galleryキュレーション委員会では、展覧会期間中に日本の観客を対象としたギャラリーツアーを開催しました。さらに、パンデミックやNFTといった新たな要因に直面するアートの未来やアートギャラリーの役割について話し合うArt Gallery Talksをバーチャルで開催しました。

「Awaken Our Bodies」をテーマにしたEmerging Technologiesプログラムでは、斬新で高品質な3Dプロジェクションマッピング技術、触覚インターフェースなど、19の展示が会場とオンラインで紹介されました。ロボットアバターやバーチャルヒューマン、入力インターフェース、音楽体験、濡れや温度、風、香りなどの新感覚のVR体験など、様々な体験ができます。また、会場とオンラインの参加者を対象に、ライブデモンストレーションとQ&Aセッションが同時に行われました。

XRプログラムを探索する参加者は、19の没入型テクノロジーを通して新たな体験をしました。たとえば、Dislocationは、脱臼の際に生じる内部プロセスを調査し、極限状態に追い込まれた人の視覚的描写を提供します。また、病理学と医療従事者の患者との経験に基づき、老人性認知症の視覚的症状をシミュレートしたモバイルAR体験「Dementia Eyes」も興味深いXRのショーケースとなりました。ライブデモとQ&Aセッションは、会場とオンラインの参加者の両方に同時に行われました。

また、Experience HallのTalkステージでは、Live Drawing PerformanceとCG Production Meetupが行われました。バンダイナムコスタジオ、UbiSoft Entertainment、スクウエアエニックス、SAFEHOUSEによるLive Drawing Performanceは圧巻で、会場がどよめきました。これらのライブパフォーマンスは録画され、オンライン参加者向けにバーチャルプラットフォーム上にアップロードされる予定です。CG Production Meetupは、ゲーム、インタラクティブ技術、コンピュータ・グラフィックス、アニメーションの領域から48社が参加し、2021年12月15日と16日の2セッションに300人以上の学生が集まりました。

SIGGRAPH Asia 2021の締めくくりとして、会場やオンラインの参加者の前でライブ実演されるバーチャル技術のショーケースReal-Time Live!が開催されました。ハイブリッドイベントの一環として、現地プレゼンター5名が東京国際フォーラムのステージでデモを披露し、他の4名はライブストリーミングでデモを配信しました。

SIGGRAPH Asia 2021で表彰されたアーティストとクリエイター

SIGGRAPH Asia 2021では、以下のアーティストやクリエイターの方々の一流の作品を評価し、様々な賞を贈呈しました。

Real-Time Live! の受賞者

The Computer Animation Festival の受賞者

  • BEST IN SHOW: Twenty Something (USA), Director: Aphton Corbin
  • BEST STUDENT PROJECT: Le Retour des Vagues (France), Directors: Manon Cansell, Alejandra Guevara Cervera, Edward Kurchevsky, Francisco Moutinho de Magalhães, Hortense Marian
  • BEST STUDENT PROJECT: Les larmes de la Seine (France), Directors: Yanis Belaid, Eliott Benard, Nicolas Mayeur, Etienne Moulin, Hadrien Pinot, Lisa Vicente, Philippine Singer, Alice Letailleur
  • JURY SPECIAL: Only a Child (United Kingdom, Switzerland), Director: Simone Giampaolo

また、Emerging Technologiesプログラムでは、「Best Online Demonstration Award」の受賞者を近日中に発表する予定です。

参加登録は終了しましたが、バーチャルプラットフォームは2022年3月11日まで公開しており、参加者はオンデマンドコンテンツを視聴することができます。来年のSIGGRAPH Asia 2022は、2022年12月6日~9日に韓国・大邱(テグ)のEXCOで開催される予定です。詳細はhttps://sa2022.siggraph.org をご覧ください。

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  1. SIGGRAPH Asia 2021のオンライン・プレスキットはこちら
  2. 高解像度のイベント画像は、こちらからダウンロードできます: https://bit.ly/sa21photos 
  3. バーチャルプラットフォームへの入場はこちら
  4. プログラム一覧はこちら
  5. 会場内で開催されるライブ/スケジュールセッションの概要については、こちらのPDFスケジュールをご覧ください。

シーグラフアジア2021について

ACM SIGGRAPHが主催し、今回で14回目の開催となるコンピュータ・グラフィックスとインタラクティブ技術に関するカンファレンスと展示会「SIGGRAPH Asia 2021」は、日本での開催が横浜(2009年)、神戸(2015年)、東京(2018年)に続いて4回目です。世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、国内外の参加者に等しくイベントへの参加機会を提供するため、SIGGRAPH Asiaとして初となるハイブリッド形式で開催されました(会期: 2021年12月14日~17日、会場: 東京国際フォーラム)。厳選されたカンファレンスのプログラムは、ネットワーキングの機会とともにオンラインでアクセスすることができました。コンピュータ・グラフィックスの研究、科学、芸術、アニメーション、ゲーム、インタラクティブ性、教育、新技術に関心を持つ、最も尊敬される技術者やクリエイターが世界中から集まる年次イベントです。

4日間のカンファレンスでは、Art Gallery, Birds of a Feather, Computer Animation Festival, Courses, Emerging Technologies, Posters, Real-Time Live!, Technical Communications, Technical Papers, XR (Extended Reality)など、多彩な審査員プログラムが用意されました。キュレーションプログラムとして、Demoscene, Featured Sessions, Games, 基調講演Keynotesが行われました。2021年12月15日~17日に開催される3日間の展示会では、業界関係者がアジアをはじめとする世界のコンピュータグラフィックスやインタラクティブ技術の専門家や愛好家に向けて、革新的な製品やサービスを売り込むためのビジネスプラットフォームが紹介されました。詳細はhttps://sa2021.siggraph.org/jp/ をご覧ください。また、FacebookTwitterInstagramYouTubeで、イベントの公式ハッシュタグ#SIGGRAPHAsia、#SIGGRAPHAsia2021で検索してご覧ください。

ACM SIGGRAPHについて

ACM Special Interest Group on Computer Graphics and Interactive Techniques (SIGGRAPH) は、コンピュータ・グラフィックスとインタラクティブ技術の研究、技術、応用に関心を持つ学際的なコミュニティです。メンバーは、技術、学術、ビジネス、芸術の各コミュニティに属する研究者、開発者、ユーザーです。ACM SIGGRAPHは、そのカンファレンス、専門家や学生支部のグローバルネットワーク、出版物、教育活動を通じて、年間を通じてコンピュータ・グラフィックスとインタラクティブ技術のコミュニティを豊かにしています。詳細については、www.siggraph.org をご覧ください。

Koelnmesseについて
Koelnmesse Pte Ltdは、世界最大の見本市運営会社のひとつです。80を超える見本市・展示会は、出展者の60%、来場者の40%がドイツ国外から来ており、業界で最も広いグローバル展開を行っています。Koelnmesseのイベントには、Imm Cologne、Anuga、IDS、INTERMOT、Interzum Cologne、Photokina、Gamescom、ケルン国際ハードウェア見本市など、25分野の世界的な主要見本市が含まれています。Koelnmesseは、過去13回のSIGGRAPH Asiaの開催において、ACM SIGGRAPHのイベントオーガナイザーを務めています。事業内容の詳細はこちら(www.koelnmesse.com.sg)をご参照ください。

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